会長挨拶

公益社団法人和歌山県栄養士会 会長 川村雅夫

平素から賛助会員の皆様、会員の皆様には栄養士会の運営に対し、ご指導ご鞭撻を賜っていますこと厚くお礼申し上げます。
昨年の元旦 16 時 10 分地震速報が流れ、テレビ画面が一瞬に変わり正月気分が吹き飛んでしまいました。
6 月 10 日の定時総会においてもご報告した通り、2 月 2 日から 3 月 26 日の期間に1班3人体制で3班、延べ 34 名の JDA-DAT 和歌山が金沢市の 1.5 次避難の方々への給食支援活動ならびに、七尾市を拠点に、輪島市や能登町への栄養補助食品の補給及び情報収集、健康相談等の支援を行ってまいりました。また、数年前から災害支援に係る県との取り組みについて準備をしていましたが、3 月 7 日には「災害時における栄養・食生活支援活動に関する協定」を県と結ぶことができました。
今後、当会としては各団体との連携強化や訓練を重ねるなど、円滑な活動が出来るよう更なる体制整備や体制強化を図ってまいりたいと考えています。
会員の皆様にはライフラインや備蓄食品の確認、非常時に向けた人員配置等の取り組み、更には他施設への支援ができる体制への取り組みなど進めて頂きたくお願い致します。
さて、県では第 4 次和歌山県健康増進計画や第 4 次和歌山県食育推進計画が同時に進められていることから、我々栄養士会では、県民の健康の維持・増進や生活習慣病予防、重症化予防等、色々な活動を行っており、昨年は特に「食育」に力を注ぎました。
栄養士会に「わかやま子ども食育応援隊」を編成し、県内での食育事業に着手、8月4日「栄養の日」にちなんでイオンモール和歌山でチラシ 1054 枚を配布しました。また、県立耐久高等学校で講習会と調理実習で構成された研修会を開催しました。
和歌山県は温暖で自然豊かな環境にあり、一次産業が盛んに営まれ、その食材を使った郷土料理や高野山の精進料理から鯨の食文化、金山寺みそや湯浅醤油といった全国に類をみない多くの郷土料理があります。
しかし、少子高齢化が急速に進み、核家族化と相まって「祭事」の継続や家庭独自の料理の伝承が失われつつあるなど、本県の食文化の継承が困難となっています。また、県が実施する県民健康・栄養調査結果では「朝食の欠食」「野菜・果物の摂取不足」「塩分の過剰摂取」など、生活習慣病に悪い影響を与えかねない状況にあり、先述の研修会では、この現状を食育プログラムとして、延べ 49 名の高校生が受講し、講習会と調理実習の両方のプログラムを修了した学生 15 名を「わかやま青少年食育推進員」として委嘱しました。今後、推進員には校内において教員の指導のもと無理のない啓発活動を行って頂く予定です。また、この事業は高校生から良い評価を頂き、事業に携わった会員からも青少年へのアプローチの重要性を再認識したとの意見もあり、今後も引き続き紀南、紀北と広めていきたいと考えていますし、活動内容については当ホームページに掲載していく予定です。また、2月から3月にかけて、県内3保健所で特定給食施設講習会として「嚥下調整食分類 2021 基準と給食施設においての活用法」をテーマに講習会を開催します。
この講習会は昨年度開催した特定給食施設講習会のアンケート結果に基づいて開催するのもで、開催の詳細につきましては、準備ができしだい当会ホームページに案内させて頂きます。